
パソコンの中には仕事の資料を置かず、外付けハードディスクだけに保管している、という方は少なくなく、今回ご相談をいただいたのも、そうした使い方を続けてこられた会社員のお客様でした。
仕事データを外付けHDDだけに保存していた会社員のお客様からのご相談が
ふだんお使いのパソコン本体には仕事のデータを置かず、外付けハードディスクにすべてまとめて保存する、という運用を続けてこられたとのことで、バックアップというよりそちらが本来の保管場所になっていた、というお話でした。
日々の業務でこまめに更新するファイルほど、身近な外付けハードディスク一台に集約しておきたくなる気持ちは、多くの方に共感していただけるのではないかと思います。
ある日、いつも通り外付けハードディスクをパソコンに接続したところ認識しなくなっていることに気づかれ、仕事で日常的に使うデータが入っている媒体だけに、かなり不安な思いをされたのではないかと思います。何度か接続をやり直したくなる場面だったと思いますが、それ以上は無理に触らず、当社へご相談くださいました。
いつものカリカリという音がせず、聞こえてきたのはモーター音だけという異変に気づく

お客様がとくに気にかけていらっしゃったのが音の違いで、ふだんこの外付けハードディスクを使っているときは、内部でカリカリという動作音がしていたとのことでした。
ところが異常が起きてからは、電源を入れた直後に一瞬だけ音がするだけで、そのあとはモーターが回転しているだけの音しか聞こえなくなっていたとのことで、中でデータを探しにいく動きが止まり、回転だけが続いている状態だったと考えられます。
日ごろから機械の小さな音の違いに気づけるというのは、それだけ日常的に大切に扱ってこられた証でもあり、この違和感に気づいて早めにご連絡いただいたことが、今回の結果につながる大きな一歩になりました。
検査の結果、磁気ヘッドの損傷による重度の物理障害と判明
むやみに電源を入れ直したり、別のパソコンへ接続を繰り返したりすると状態をさらに悪化させることがあるため、お客様には宅配便で当社宛てにお送りいただきました。
検査を進める中で分かってきたのは、データを読み書きする役割を持つ磁気ヘッドが、電源を入れた最初の瞬間だけ動作し、そこから先はまったく反応していない状態だったことです。開封をせずに症状や動作音の特徴から故障箇所を判断できるのは、当社が長年の作業を通じて培ってきた技術力によるもので、重度の物理障害、磁気ヘッドの損傷という診断になりました。ただし、内部のディスク自体にどこまで影響が及んでいるかについては、実際にクリーンルームで開封してみないと分からない部分がありました。
当社では、正式な復旧のご依頼をいただく前の検査段階ではハードディスクを開封しない方針を取っています。開封済みの状態になってしまうと、万が一お客様が別の業者へあらためて依頼し直すことになった場合に、その業者側での検査や見積りが不利になることがあるため、大切なデータが入った媒体をむやみに開けないという考え方によるものです。
クリーンルームでのヘッド交換から、お客様の体感でほぼ100%のデータ復旧へ
正式にご依頼をいただいたあと、微粒子を管理したクリーンルームの中でハードディスクを開封し、損傷した磁気ヘッドを専用の交換用ヘッドへ一時的に付け替える作業をおこないました。
一時的に付け替えたヘッドはあくまで情報を読み出すためのものであり、もとの状態に戻すための修理ではありませんが、この作業がうまくいくかどうかが、その先の情報を取り出せるかどうかを大きく左右します。
ヘッドが正常に動く状態を取り戻したところで、ディスク上の情報を抽出し、抽出した情報を専門の復旧プログラムにかけてデータを復旧していく流れで、今回はディスクの表面自体にほとんど傷や磁気情報の変質が見られず状態がとても良かったこともあり、お客様の体感で100%近くのデータを復旧することができました。
結果は遠隔でパソコン画面を共有しながらお客様に直接ご確認いただき、その後あらためて媒体を返送する流れで対応させていただきました。画面越しに見慣れたファイル名が並んでいるのをご確認いただけたときは、こちらとしてもほっとする瞬間です。
HDDの復旧を左右するディスクの状態と、クリーンルームが必要な理由
ハードディスクのデータ復旧で結果を大きく左右するのは、実は磁気ヘッドよりもディスクそのものの状態で、ディスクの表面に傷や読み取りエラーを示す異常(不良セクタ)が広い範囲に発生していると、たとえヘッドを交換できても情報を取り出せる範囲が限られてしまいます。今回のように表面がきれいな状態のまま残っていれば、ヘッドという入り口さえ直してあげれば、中の情報にたどり着きやすくなります。
裏を返せば、磁気ヘッドの交換自体がどれだけうまくいっても、ディスクの側に大きな傷や磁気情報の変質が生じてしまっていれば、そこから先の情報は失われたままになってしまう、ということでもあります。
もう一つ欠かせないのがクリーンルームで、ハードディスクの内部は目に見えないほど小さな隙間でヘッドとディスクが向き合っていて、そこにわずかなほこりや髪の毛のかけらが入り込むだけでディスクの表面を傷つけてしまうことがあります。そのため磁気ヘッドを交換するような開封作業は、空気中の微粒子の量を管理した専用の部屋の中でおこなう必要があり、ふだん私たちが過ごしている部屋の空気とは、清浄さのレベルがまったく違う環境です。
ふだん目にする機会のない部屋ではありますが、こうした環境を整えていることが、磁気ヘッドの損傷という重度の物理障害からデータを取り戻すための土台になっています。
万が一、同じような状況になった場合は、外付けハードディスクへの通電を何度も繰り返さないようにしていただき、郵送・宅配便データ復旧ページまたはお持ち込みご予約ページからお申し込みください。また、検査のお申込前に不明な点があれば、なんでも相談室からご相談ください。
営業時間とお問い合わせ・ご予約

札幌PCデータ復旧堂へのデータ復旧は「ご来店」と「宅配便」によるご依頼を受け付けております。
お電話・メールフォームからお問い合わせ、お申し込みいただけます。
TEL 011-596-9914
<電話受付時間>
(月~金)10:00~13:00・15:00~18:00
(土) ご依頼済みの方のみ事前予約応談可・お問い合わせ対応はおこなっておりません。
定休日:土曜・日曜・祭日
(臨時休業や営業時間変更となる場合がございます)
※混雑などにより電話がつながらない場合がございますので、その場合は時間を空けておかけ直しください。
※臨時休業や営業時間変更がありますので詳しくは下の青ボタンよりGoogleマップの営業情報をご確認ください。
※メールフォームからのお申し込みも可能です。下記ボタンの各ページよりお申し込みできます。


