電源を差しても動作音すら聞こえない外付けHDDが持ち込まれた

札幌市内の設計事務所からご連絡をいただいたのは、ある平日の午後のことで、長年使っていたBUFFALO製の外付けハードディスクの電源を入れても、モーターの回転音どころか、いつも聞こえるはずのわずかな作動音すら一切聞こえない、とのことでした。

コンセントを差し直しても状況は変わらず、別のケーブルに交換しても反応は同じで、パソコン側にもドライブとして一切認識されない状態が続いていたそうです。担当の方は電源タップやケーブルを何度も疑いながら、それでも変わらない沈黙に困り果てて当社へお電話をくださいました。

お電話でのやりとりの後、まずは状態を確認するため、そのまま事務所へハードディスクをお持ち込みいただくことになりました。

設計事務所を長年支えてきたCADデータという重み

持ち込まれたハードディスクの中身は、設計事務所が長年かけて積み上げてきたCADデータでした。過去の案件図面や検討資料が、日々の業務の中で少しずつ蓄積されていったものだそうです。

担当の方いわく、紙の図面はある程度残っているものの、今回のケースでは修正履歴や細かい寸法データの多くをこのハードディスク一台で管理していたとのことで、もし取り出せなければ過去の設計をゼロから引っ張り直す必要が出てくるとのことで、日々の業務で当たり前のように参照していたデータが突然使えなくなることの重さを、お話を伺いながら感じ取ることができました。

お預かりしたその場で検査をおこなったところ、症状から基板の故障であることが確認でき、その場で担当の方にお伝えしました。担当の方より正式に復旧作業のご依頼をいただき、そこから本格的な作業を始めることになりました。

ハードディスクの基板が壊れるとどうなるのか

無反応BUFFALO外付けHDDからCADデータ復旧成功-札幌PCデータ復旧堂

ハードディスクの底面には、緑色や青色の基板が取り付けられています。この基板は、電源から受け取った電力をモーターやヘッドに適切な形で分配したり、パソコンとハードディスクの間でデータをやり取りしたりする役割を担っています。

この基板が壊れると、そもそも電力がモーターにうまく届かなくなるため、電源を入れても回転音が発生しないという状態になります。動作音すら聞こえないという症状は、基板に問題が起きているケースやモーター自体に問題が起きているケースで見られることが多いというのが、当社でこうした状態のドライブを見てきた経験からくる印象です。

基板が壊れる原因として考えられるのは、経年劣化のほか、電源まわりのトラブルや、湿気・結露による腐食などが挙げられます。基板そのものが故障しているかどうかは検査の段階で判断できますが、内部の磁気ヘッドやディスク自体にまで影響が及んでいるかどうかは、実際に基板を交換してみないと見えてこない部分があります。当社では、復旧作業のご依頼をいただく前の検査段階でハードディスクを開封することはせず、正式なご依頼をいただいてから初めて開封や部品交換に進む方針にしており、開封済みの状態になると他社での二次的な対応が必要になった場合に料金面で不利になることもあるため、大切なデータが入った媒体を安易に開けることは避けています。開封せずに症状や基板の状態から故障箇所を判断できるのは、当社が長年の作業を通じて培ってきた技術力によるものです。

データ復旧会社の復旧率のポイントは部品をどれだけ持っているか

基板の故障が確認できた場合、復旧作業においてまず必要になるのが、同じ型番かつ同じ仕様の基板を用意できるかどうかという点です。ハードディスクは製造時期やロットによって基板の細かい仕様が異なることがあり、見た目が同じ基板でもそのまま流用できるとは限りません。

当社では過去の案件を通じて、さまざまなメーカー・型番の基板を保有してきており、今回のBUFFALO製のハードディスクについても、適合する基板を用意することができました。データ復旧会社によって、こうした部品をどれだけ揃えているかには差があり、対応できる基板の幅がそのまま復旧できる案件の幅につながっているというのが、当社の経験から言えることです。

適合する基板を用意できたとしても、基板を取り付けただけですぐに元通りになるとは限らず、内部のディスクやヘッドに問題がないかを合わせて確認する作業が必要になります。今回はこの確認作業も含めて、慎重に進めていきました。

ディスクは問題なくCADデータは100%のデータ復旧へ

基板を交換して電源を入れると、ハードディスクは無事に回転を始め、内部のディスクやヘッドには目立った損傷が見られない状態であることが確認でき、基板だけが壊れていたケースだったため、そこから先の作業は比較的落ち着いて進めることができました。

パソコン上でディスクの中身を確認し、設計事務所からご依頼いただいたCADデータについては、すべてのファイルを問題なく取り出すことができ、100%の状態でお戻しすることができました。復旧したデータは、新しい外付けハードディスクへ保存してお渡ししています。

担当の方からは、過去の案件図面がすべて戻ってきたことで、これまで通りの業務を続けられる安心感があるとのお声をいただきました。長年の積み重ねであるデータほど失われたときの影響は大きくなり、日頃から異音や無反応といった変化に気づいた際は、それ以上通電を繰り返さず、できるだけ早い段階で状態を確認することが、データを守るための一番の近道になります。

万が一、同じような状況になった場合は、ハードディスクへの通電を何度も繰り返さないようにしていただき、お持ち込みご予約ページまたは郵送・宅配便データ復旧ページからお申し込みください。また、検査のお申込前に不明な点があれば、なんでも相談室からご相談ください。

営業時間とお問い合わせ・ご予約

札幌PCデータ復旧堂へのデータ復旧は「ご来店」と「宅配便」によるご依頼を受け付けております。
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