Macのデータ復旧はWindowsより難しいケースが多くあります

Apple Macデータ復旧

「Macが起動しなくなった」「リンゴマークから先に進まない」「誤ってデータを削除してしまった」

Macのデータ復旧は、Windowsパソコンと比べて難易度が高い傾向にあります。その理由は、MacがApple独自の設計・ファイルシステム・セキュリティ機構を持っているためです。さらに近年のMacは、データ復旧がほぼ不可能な構造になっているモデルが増えています。


こんな症状が出たら要注意

  • 電源を入れてもリンゴマークから先に進まない
  • 「フォルダに?マークが表示される」
  • 「コンピュータを再起動する必要があります」と繰り返し表示される
  • 起動中にフリーズする・画面が暗いまま動かない
  • 異音がする(カチカチ・クリック音)
  • 誤ってファイルを削除・フォーマットしてしまった
  • 水をこぼしてしまった・電源が入らなくなった
  • macOSのアップデート後から起動しなくなった

MacのデータはWindowsと何が違うの?

Macは、Appleが独自に開発したファイルシステム「APFS(エーピーエフエス)」や「HFS+」でデータを管理しています。このファイルシステムはWindowsとは構造が根本的に異なるため、WindowsパソコンにMacのHDDやSSDをつないでも正しく読めません。専用の解析ツールと知識が必要になります。

また、Macは古くからデータのセキュリティを重視した設計になっており、ファイルシステムのエラー発生時に状態がより悪化しやすい傾向があります。異常を感じたら早めに電源を切り、そのままご相談いただくことが重要です。


トラブルの種類

macのデータ復旧

データ障害(論理障害)

Mac本体やストレージは動いているが、データの管理情報が壊れた状態です。誤削除・誤フォーマット・macOSの更新失敗・突然の電源断などが主な原因です。

本体が起動できる状態であれば、専用ツールでファイルシステムを解析し、データを取り出せる可能性があります。

物理障害

ストレージや本体内部の部品が物理的に壊れた状態です。落下・水没・経年劣化などが原因となります。HDDを搭載した旧モデルのMacでは、ヘッド損傷など重度の物理障害の場合、クリーンルームでの分解作業が必要になります。


これは非常に重要な点です。かつてのMacはHDDやSSDを取り出して別の機器に接続し、データを読み出すことができました。しかし現在のMacはそれができない構造になっています。


理由① SSDがロジックボードに直付けされている

現在のMacBook Air・MacBook Pro・Mac mini・iMacなどは、SSDが本体の基板(ロジックボード)に直接はんだ付けされており、物理的に取り外すことができません。そのため、ロジックボードが壊れてしまうと、SSDだけを取り出して別の機器で読む、という従来の方法が使えなくなります。


理由② T2チップ・Apple Siliconによる暗号化

**T2チップ搭載モデル(2018年〜2020年のIntel Mac)**とApple Silicon搭載モデル(M1以降)では、SSD内のデータがチップによって自動的に暗号化されています。

暗号化の鍵はチップ内部に固有のIDとして保存されており、SSDの記憶チップだけを取り出しても、チップと通信できなければデータを解読できません。本体が完全に壊れた状態では、たとえSSDの記憶チップが無事であっても、データを取り出せないケースがあります。


データ復旧が特に困難なMacのモデル・条件

以下に該当する場合、データ復旧が困難または不可能になる可能性があります。

条件理由
Apple Silicon搭載Mac(M1以降・2020年〜)CPU・メモリ・SSDコントローラ・暗号化ユニットが一体化。SSDの取り外し不可
T2チップ搭載Mac(2018〜2020年のIntel Mac)SSDが暗号化され、チップ経由でないとデータ読み出し不可
Touch Bar搭載のMacBook ProT2チップによる暗号化モデルと重なる
Touch ID内蔵電源ボタン搭載モデル同上(暗号化)
スペースグレイカラーがある2016年以降のモデルT2チップ搭載世代と重なる
SSD直付けモデルで電源が入らない本体故障ロジックボードを修復しないとデータへのアクセス自体が不可能
削除・フォーマット後に長時間使用したSSD搭載機TRIMにより削除領域が自動消去される

復旧できる可能性が残るケース

以下の条件を満たしている場合、復旧できる可能性があります。

  • 上記条件に当てはまらないモデル
  • 誤削除・フォーマット直後に電源を切り、その後一切使用していない
  • ロジックボードが部分的に動作している
  • FileVault(ファイルボルト)の暗号化をオフにしていた
  • Apple IDおよびユーザー名・パスワードが分かる

対応機種

MacBook / MacBook Air / MacBook Pro / iMac / Mac mini / Mac Pro(旧モデル含む)

なお、iPhone・iPad・iPodはデータ復旧の対応外となります。


Macのデータ復旧で、絶対にやってはいけないこと

  1. 異常に気づいたら電源を切り、そのままにする → 通電を続けると損傷・データ消去が進みます
  2. 「ディスクユーティリティ」で修復しようとしない → 状態が悪化することがあります
  3. macOSの再インストールを実行しない → データが上書きされます
  4. 市販のデータ復旧ソフトをSSD搭載Macに使わない → 暗号化・TRIM環境では逆効果になる場合があります
  5. 水没後に電源を入れない → ロジックボードがショートして全損につながります

「まず電源を切る」。それだけでデータが助かる可能性が大きく変わります。

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